リテンションマーケティングをわかりやすく解説!施策や事例もご紹介

さまざまなマーケティング手法が存在する中で、リテンションマーケティングは、近年新しいマーケティングの一つとして注目を集めています。この記事では、リテンションマーケティングの基本概念から、その効果的な施策や成功事例までを、初心者にも理解しやすい形で解説します。

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リテンションマーケティングとは

リテンションマーケティングは、既存顧客との関係を維持し、リピート購入や長期契約を促進することを目的としたマーケティング施策です。リテンション(retention)とは、「失ったり止まったりしないように維持する行動」を意味する英語です。

マーケティングの歴史は、生産指向から販売指向、そして最終的に顧客指向へと移行してきました。「お得意様を大事にする」というのは昔から商売の基本ですが、マーケティングの文脈で語られ始めたのは、最近になってからです。リテンションマーケティングは、顧客指向のマーケティングに分類される、比較的新しいマーケティングの考え方です。

リテンションマーケティングの重要性

売上の大部分を生み出すのは、既存の優良顧客です。リテンションマーケティングは、彼ら優良顧客を維持したり増やしたりする取り組みであり、売上へのインパクトが大きい重要なマーケティング手法です。既存の顧客からフィードバックを受けることでサービス改善にもつなげることができます​。

具体的なリテンションマーケティング施策

顧客の長期的な関係を構築するリテンションマーケティングには、どのような種類があるのでしょうか。ここでは、代表的な5つのリテンションマーケティングについて解説します。

Eメール

Eメールは、既存顧客のメールアドレス宛に情報を届け、顧客との関係を維持強化する手法です。「一斉送信のメールなんて誰も読まない」と言われ続けている一方、いまだに多くの企業で行われ、一定の効果を上げ続けています。近年では、特定のページを見たり行動を取ったりした人に合わせた内容のメールを自動配信するMA(マーケティングオートメーション)という手法も存在します。

ダイレクトメール(DM)

ダイレクトメール(DM)は、個別に顧客に郵送する形式のマーケティング手法です。テキスト主体となりがちなEメールと比べると、ビジュアルで訴求しやすいのが特徴です。顧客の興味や過去の購入履歴に合わせて、郵送物を出し分けることもできます。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、顧客が製品やサービスの効果を発揮できるようサポートするアプローチです。ITツールの分野では、カスタマーサクセスの担当を設けている企業もあります。購入直後の顧客に対して使い方や利用方法を説明したり、利用頻度の低い顧客にヒアリングと活用提案をしたりすることで、顧客満足度を高めたり、解約の抑止を図ります。

メディア露出

メディア露出は、幅広い人たちにブランドの認知度を高めるだけでなく、既存の顧客との関係を深めるのにも役立ちます。テレビや雑誌などを通じて、企業や製品の魅力や価値観を伝えます。新しい競合製品に目移りしがちな顧客に対して、「やはり今使っているこの製品は素晴らしい」という認識を持ち続けてもらうことができます​​

CRM(顧客関係管理)

CRMは、顧客とのやり取りを一元管理し、顧客のニーズや行動を深く理解することを目的としたシステムです。これにより、顧客の過去の購入履歴や好みに基づいてきめの細かいコミュニケーションを行い、顧客満足度を高めることができます。顧客に担当者がつくビジネスの場合、担当者が交代となっても、CRMに情報を集約していれば、新たな担当者は、顧客に対する理解を素早く深め、リテンション率を向上させることが可能です​​

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リテンションマーケティングのメリット

既存顧客を重視するリテンションマーケティングのメリットには、LTV、アップセル、費用対効果という3つの側面でメリットがあります。

LTVが向上する

LTV(生涯顧客価値)とは、同じ顧客が初めて取引を開始してから、契約を終了したり二度と買わなくなったりするまでの利益の総額を指します。リテンションマーケティングによって、購入頻度が高まったり、解約率が下がったりするため、結果としてLTVが向上します。企業経営の安定化と長期的な成長にとってLTVは重要な指標です​​​​

アップセルにつながる

アップセルとは、顧客の購入単価を引き上げる取り組みです。リテンションマーケティングではとくに、過去に購入した製品と同じジャンルの製品ながら、高級版や増量版の購入を促す方法を指します。既存の顧客は新規顧客よりもブランドに対する信頼があり、より高価な製品やより多くの購入に前向きです。

新規顧客の獲得より費用対効果が出やすい

既存顧客を維持することは、新規顧客を獲得するよりも一般的にコストが低いです。リテンションマーケティングは既存の関係を活用するため、新規顧客と違って、製品やサービスを知ってもらったり、いいと思ってもらったりするための広告費用が少なくなります。つまり、同じ予算であれば、リテンションマーケティングは、新規顧客の獲得に比べて高い成果を得られやすいというメリットがあります​​

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リテンションマーケティング事例

リテンションマーケティングのメリットを発揮している状態というのは、実際にどういう状態なのでしょうか。ここでは、カップヌードルとAdobeという、よく知られているブランドを例に、リテンションマーケティングについて見ていきます。

カップヌードルのCM

日清食品が販売しているカップ麺「カップヌードル」は、1971年から続くロングセラー商品です。市場には数多くのカップ麺が存在しますが、カップヌードルは日本国内のシェア1位。世界100カ国以上で販売され、販売額は2,000億円に達します。

カップヌードルは、昔からある定番商品であるがゆえに、消費者を飽きさせないCMを精力的に作りメディア露出を積極的に行っています。面白くて印象的なテレビCMは、WEBメディアでも取り上げられやすく、SNSでも話題を集めやすいため、消費者が目にする機会を増やすことができます。これにより、カップヌードルを食べたことのある消費者も、お店の売り場に来たときに、他社のカップ麺ではなく、またカップヌードルを選びたくなるのです。

Adobeの学習コンテンツ

Adobeは、学習コンテンツの提供を通じてリテンションマーケティングを実施しています。同社がサブスクリプション課金で提供しているPhotoshopやIllustratorなどのクリエイティブツールは、多機能高性能である反面、初心者が直感的に使いこなしにくいプロ向けのツールでもあります。

そこで、Adobeは、初心者向けの公式チュートリアルコンテンツを記事や動画の形で用意。これは、リテンションマーケティングにおける典型的なカスタマーサクセスの施策であり、顧客が「やってみたけど使いこなせないからサブスクリプションを解約しよう」という状況に陥るのを防いでいます。

自社製品の性能を高めるだけでなく、このようなリテンションマーケティングの取り組みも通じて、Adobeはクリエイティブの世界において業界スタンダードの地位を確固たるものにしています。

リテンションマーケティングのご相談はニッセンへ

ここまで、リテンションマーケティングで重要となる具体的な施策やメリット、事例などについて解説してきました。自社の製品やサービスについて、どのような施策が有効なのかを検討し、リテンションマーケティングをぜひ成功させてください。

ニッセンでは、リテンションマーケティングの観点に立ったマーケティング支援をしています。貴社の製品やサービスに合わせて、既存顧客のLTVを向上する施策を提案し、実行までをお手伝いします。

ニッセンのお客様はもちろん、それ以外の人にも電話やWEBサイト、メールマガジンを連動させてアプローチが可能です。EC、D2C、通販を行っている企業は、ぜひお気軽にお問合せください。