一つの商品を繰り返し購入してもらう通販形態である単品リピート通販は、小規模通販事業者や専門メーカーのEC直販といったビジネスにおいて、魅力的な選択肢です。
単品リピート通販の市場は年々拡大しており、日本の通販業界でも注目度が高まっています。
では、単品リピート通販は、従来の総合通販とくらべて、どんなメリットがあるビジネスモデルなのでしょうか。また、単品リピート通販をはじめる上で、どのような点に気をつけるべきでしょうか。
この記事では、単品リピート通販に興味がある方向けに、単品リピート通販と総合通販との違いや、単品リピート通販のメリット・デメリットを解説します。
単品リピート通販とは?
単品リピート通販とは、一つの商品を繰り返し購入してもらうことを前提とした通販形態です。単品リピート通販では、多くの種類の商品は取り扱わず、単一商品、またはごく少数の商品にフォーカスします。
健康食品、美容用品、サプリメント、消耗品などが、単品リピート通販の対象となることが多く、購入者がその商品を継続的に必要とするものが理想です。
通常の通販(総合通販)との違い
単品リピート通販に対し、通常の通販は「総合通販」と呼びます。
総合通販では、多種多様な商品を取り扱い、幅広い顧客ニーズに対応するのが特徴です。
一方、単品リピート通販は、特定の少数商品にフォーカスし、顧客に定期的に購入してもらうことで利益を得ます。
総合通販は在庫管理が複雑で、広範なマーケティングが必要ですが、単品リピート通販は特定の商品に注力するため、効率的な在庫管理とマーケティングが可能です。
商品、品揃え、価格競争性、利益率などの側面で、単品リピート通販と総合通販の違いをまとめると、下表のようになります。
単品リピート通販 | 総合通販 | |
商品 | 化粧品や健康食品など、リピート性が高い消耗品が中心 | 雑貨、アパレル、家電、食品などさまざま |
品揃え | 少品種 | 多品種 |
価格競争 | オリジナル性の高い商品が多く、比較的、競合が少ない | 他社と似たような商品が多く、競合が多い |
利益率 | 高い | 低い |
顧客獲得費用 | 高い | 低い |
購入頻度 | リピート購入してもらうことが前提 | 1回きりでもよい |
多品種の商品を取り扱う総合通販に対し、単品リピート通販は少品種の商品をリピート購入してもらうことで利益を上げるビジネスモデルです。そのため、商品あたりの利益率は高くなりますが、見込み顧客を優良顧客に育成するリードナーチャリングが必要など、リピーターを獲得するためのコストがかかります。
一方、総合通販と違い、単品リピート通販ではオリジナリティの高い看板商品を主軸に販売します。
そのため、比較的、競合が少なく、価格競争に巻き込まれにくいのも特徴です。
単品通販との違い
単品通販は、一つの商品を通信販売する形式で、必ずしもリピートを意図していません。例えば、電子機器や家具などの通販は、一回の購入単価が大きく、長期間使用されることが多いため、リピートを前提としない単品通販として展開されるケースがあります。
これに対し、単品リピート通販は主に消耗品が対象となり、顧客が定期的に同じ商品を購入することを前提としています。
単品リピート通販は、顧客との長期的な関係を築き、継続的な売上を確保することが目的であり、顧客のリピート購入を促すための施策が重要となります。
リピート通販との違い
リピート通販は、特定の商品を定期的に購入するビジネスモデルで、単品リピート通販と基本的な概念は同じです。
しかし、リピート通販は複数の商品を定期的に購入する場合も含まれるのに対し、単品リピート通販は主に一つの商品を、いわば「看板商品」として定期購入させることに特化しています。
つまり、単品リピート通販は、通常のリピート通販よりも、ブランディングとマーケティングのためのリソースを、一つまたはごく少数の商品に集中させることができます。
単品リピート通販のメリット
単品リピート通販のメリットやデメリットをご紹介します。
単品リピート通販の強みや弱みを知り、自社の商品やサービスに会うビジネスモデルを選ぶことが大切です。
顧客単価が高くなる
単品リピート通販のメリットの一つは、顧客単価が高い点です。
単品リピート通販では、定期購入が中心となるため、たとえば看板商品の単価は低くても、年間の顧客一人当たりの購入金額が高くなる傾向があります。単品リピート通販では、安定した売上が見込めるだけでなく、アップセルやクロスセルを行うことで、さらなる収益を上げることが可能です。
また、長期的なリピート購入により、顧客生涯価値(LTV)も向上します。
在庫リスクを軽減できる
単品リピート通販は、少品種の商品に集中するため、多品種の商品を扱う場合と比べて、在庫管理が容易になります。
これは、過剰在庫や欠品のリスクを減らすことができ、効率的な在庫管理が可能です。
さらに、リピート購入により販売予測が立てやすくなり、需要に応じた生産計画を立てることができるため、在庫リスクをさらに軽減できます。
信頼感や愛着感が生まれる
商品やブランドへの信頼感や愛着は、近年「顧客ロイヤリティ」という言葉で表され、様々なビジネスを長期的に成長させていく上でなくてはならない考え方になっています。
単品リピート通販では、顧客が何度も製品を受け取り長期的に使用するため、顧客との信頼関係が強化され、顧客ロイヤルティが向上しやすい販売形態といえます。
商品自体の品質やカスタマーサービスを高めることも重要ですが、売り方によっても顧客ロイヤルティを向上させることで、口コミや紹介を通じて新規顧客の獲得にもつながります。
単品リピート通販のデメリットとその対策
単品リピート通販は、必ずしも良いことばかりではありません。
単品リピート通販を始めた企業がよくあるお悩みとして、新規顧客の獲得に苦戦しがちという点があります。
新規顧客を獲得するためには広告費をはじめとした、プロモーションへの投資が必要となることは、デメリットといえます。
しかし、新規顧客獲得の対策としては、通販やマーケティングの専門家の支援を受けるのが有効な手段です。
そういった専門家は、これまでの経験を元に、自社の単品リピート通販をどう軌道に乗せるか、さまざまな戦略や施策を試すことができます。また、一度獲得した顧客がリピートをし続けてもらうには、CRM(顧客関係管理)が重要です。
CRMを活用することで、顧客の購買履歴や嗜好、問い合わせ履歴などのデータが一気に利用しやすくなります。
CRMデータを分析することで、顧客のニーズや行動パターンを把握し、顧客との関係を強化できます。
せっかく投資して得た顧客の体験を高め、離脱を抑えることで、顧客獲得コストを回収し、単品リピート通販のビジネスが軌道に乗りやすくする上で重要です。
単品リピート通販が向いている商品の2つの特徴
商品やサービスによっては、単品リピート通販よりも総合通販の方が向いているケースがあります。
単品リピート通販に適しているのは、次の2つの特徴を持つ商品です。
オリジナリティの高い商品
単品リピート通販が向いているのは、競合が少なく、ここでしか手に入らないようなオリジナリティのある商品です。
どこでも販売しているような商品の場合、リピーターの獲得が見込めず、ビジネスモデルとしては成立しにくくなります。
そのため、単品リピート通販では、独自成分を配合した健康食品やサプリメント、ニッチな悩みに着目したコンプレックス商材など、自社オリジナル製品を中心に手がけるのが特徴です。
また、魚、肉類、果物などの産地直送品や、自社ブランドのコーヒーやお菓子なども、単品リピート通販に適した商品です。
消耗品や定期的に買う必要のある商品
また、単品リピート通販では顧客に定期購入を促したり、適宜アップセルやクロスセルを仕掛けたりすることで利益を生み出します。そのため、化粧品や健康食品など、消耗品や定期的に買う必要のある商品が単品リピート通販に向いています。
逆に、本や家具などの商品は、同じ商品をリピート購入するケースが少ないため、単品リピート通販のスキーム取り扱うには工夫が必要です。
これから単品リピート通販をはじめる場合は、リピート購入が前提となるような商材を選びましょう。
単品リピート通販成功のポイント
単品リピート通販を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、3つにまとめて紹介します。
リピート購入したくなる商品品質にする
単品リピート通販の成功には、顧客が定期的に購入したくなるような高品質の商品を提供することが不可欠です。製品の効果や使い心地に満足してもらうことで、顧客の信頼を獲得し、継続的な購入を促進できます。
また、品質向上のために顧客のフィードバックを活用し、常に商品改良を行う姿勢が重要です。
商品の魅力を伝える
商品が持つ魅力を的確に伝えることも成功の鍵です。効果的な商品説明、顧客の体験談、ビフォーアフターの写真などを活用し、商品の価値をわかりやすく伝えることで、購入意欲を高めることができます。
さらに、SNSやブログ、動画など多様なメディアを活用して、商品情報を発信し、顧客に訴求することが重要です。
ポイント制度や割引クーポンの提供
ポイント制度や割引クーポンを提供することで、顧客にリピート購入を促すインセンティブを与えることができます。
ポイント制度では、購入ごとにポイントを貯めて特典を受けられる仕組みを導入し、割引クーポンは次回購入時に使用できるようにします。これにより、顧客の満足度とロイヤルティを高め、継続的な購入を促進します。
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まとめ:単品リピート通販のメリット・デメリットを知ることが重要
単品リピート通販は、少品種の商品をリピート販売することで、利益率を高めるビジネスモデルです。
多品種の商品を販売する総合通販と違い、単品リピート通販は競合が少なく、価格競争に巻き込まれにくいのが特徴です。
一方、単品リピート通販には、新規顧客の獲得や、顧客単価を高めるためのアウトバウンドセールスに
手間やコストがかかるというデメリットもあります。
単品リピート通販のメリット・デメリットを知り、自社に合ったビジネスモデルを選びましょう。
単品リピート通販支援はプロモーション支援・コールセンター委託・発送代行のニッセンへ
単品リピート通販は、新規顧客やリピーターを獲得するために多くの手間やコストがかかります。
利益率を高めるには、適切なタイミングで顧客にアウトバウンドを行ない、アップセルやクロスセルを仕掛け、顧客単価を向上させる必要があります。
単品リピート通販でお困りの場合は、プロモーション支援、コールセンター委託、発送代行をワンストップで手がけるニッセンへご相談ください。通販会社としての実績を活かしたアウトバウンドセールスによって、定期顧客の獲得をバックアップします。
また、ニッセンの顧客リストを活用した、新規顧客獲得のサポートも可能です。これから単品リピート通販をはじめる方は、ぜひニッセンにお問い合わせください。